『第一回メール句会(六月十九日実施)』
旭東文芸部の俳句パワーを向上させたい、まずは部員たちの作句量を増やさねば、そのためには句会を増やそう、けれど全員のスケジュールを調整するのは骨が折れる……じゃあメールで句会をしよう。三年生がそんなふうに考えて「部内メール句会」が生まれました。投句・選句・批評まですべてをメール上で行います。第一回の結果をご紹介します。(兼題なしで二句まで・選は一人二句)
傷ついたぶんだけ洗ふトマトかな(開来山人)/四点句
・日常的な「トマトを洗う」ことにも感動はある(詠者より)
・どんな風に洗っているのでしょうか。ごしごし洗ってたらトマトも傷ついちゃいますよ。
・赤くてハリがあって元気な感じがするけれど、やわらかくていたみやすいトマトだから良い句だとおもいました。若いですね。
・トマトは赤くて、丸くて、可愛くて、太陽みたいで…それを傷ついた時に洗っているのが良いと思いました。それに怪我とかしたら、傷口を水で洗うので合っていると思いました。
・トマトがこの句で起こす作用を作者にききたい。
手花火やいつもは見えぬ地を照らす(ありあ)/四点句
・いつもは地面など見て歩かないけれど、花火に照らされた地面を見て新しい発見をした、という句です(詠者より)
・いつもは見えない地というのは普段から日が当たらないということ?
・場面が想像できて、素敵だと思いました。
・手持ち花火は打ち上げ花火と違って視点が下に向きますからね~!!面白いです。
・気持ちはわかります。でもふつうに考えたら、やっぱり地はいつも見えてるかなとおもいます。
・花火の、びっくりするくらいの明るさ。目に浮かぶ。
・地面って夜は見えないけど昼は見えてるのでなんとなくひっかかりました。
秋高し空飛ぶ自転車語る祖父(ありあ)/四点句
・実体験の句です。朝のニュースでやってたんだーと祖父が嬉しそうに話していたので句にしてみました(詠者より)
・空飛ぶ自転車というのがいいです。祖父という言葉ともあっていて言葉がいい感じの句ですね。
・はじめ、秋高しと空飛ぶ自転車が近いかなーと思ったのですが、そんなことないですね!
・「語る」の高揚感と「空」の語が、季語と近いかも、とは思いつつ、「空飛ぶ自転車」の面白さに惹かれた。祖父なのがいいよね。
・おじいちゃんが小さい頃夢見ていたことを孫に語る光景がすぐに浮かびました。
・E.T.を思い出してしまいました……(笑)
・空飛ぶ自転車っていいね。祖父を持ってくるのも可愛い。
廃屋の屋根の赤さや秋の暮れ(空集合)/三点句
・廃れた家の屋根が赤い、ってなんとなく寂しい感じがするじゃないですか。それに秋の暮れっていう寂しい季語を取り合わせてみました(詠者より)
・句全体として物悲しさが漂っていて景もわかりやすくていいと思いました。
・廃屋と秋、赤さと秋が合ってて好きです。
・小学校の音楽の教科書に載ってた「赤い屋根の家」という歌を思い出しました。
・センチメンタル。赤さ、と、秋の暮れ、が私のイメージとしては被っていて、結構な赤になってしまいました。
・廃屋って持ってこられちゃ、たまんない。廃屋ってフンイキある。言葉自体にフンイキある。
吃音の金髪女優ふゆさうび(小川朱棕)/二点句
・困難を乗り越えた(むしろ、自分をかがやかす材料にした)ものこそが美しいんだな、と(詠者より)
・吃音の金髪女優っていう響きがすごく好き。
・すげえ取り合わせ方。いいな。「ふゆさうび」の感じがでている。植物季語の取り合わせって、この「感じ」が大事だと思う。
・女優が吃音…役柄? 私の想像力不足ですみません。冬薔薇は使ってみたいなとおもいました。
峰雲と同じペースで旅をする(ひねもす)/二点句
・青い空、白い雲、どっか行きたいなぁ。とゆうかんじです(詠者より)
・雲と同じペース! 夏らしさがすごく感じられます。
・ゆるゆる感が峰雲と合っていると思います。
・のんびりした感じが好き。これも選ぼうかどうしようか迷いました。
・散文的なように思いました。
繋ぐ手の小ささ紅葉美しき(想真唯愛)/一点句
・紅葉狩りに行った親子の句です。繋いだ子供の手が小さくて、まるで紅葉みたいだなと感じている親の心情を詠みました。(詠者より)
・小さな手が紅葉に見えたのかなぁ~。
・かわいくてすきです。だから、美しき、にひっかかりを感じました。
・美しきって連体なのがいいよね。あと、ふつう美しいって言うと感情の露出になるけど、紅葉となると、なんか「美しき」って言っても許される感じがする。いやダメなんだろうけど、違和を感じない。
・可愛い。けどやっぱり「美しき」ってひっかかるなぁ……って感じが否めない、かも。もっと推敲したらいい句になりそう。
青蛙田圃に生えする産毛かな(雨宮寧々子)/一点句
・車の中から見た田んぼが産毛が生えているみたいでいいなと思い作りました(詠者より)
・蛙は苦手だけどこの句は好きです。私は、田んぼに生えている稲とかの小さい青い時のところに、蛙がいて、それが産毛みたいだったという風に解釈しました。もう、例え方が素敵でした。
・不思議。
・鷹栖のほうで見られそう……。
・田圃の産毛ってセンスがいい感じ。ただ生えする、の語がなーんか違和感。こういう表現あったっけ。生ゆる、でいいような気もする。
・産毛って言葉を選ぶセンスがいいなーと。
はつなつやアドレス帳に君のをり(空集合)/一点句
・夏の初めと恋の始まり? みたいなものを意識してみました。三割くらい実景です(詠者より)
・うきうきしてる……! 入れたくなりました(笑)
・はつなつの必然性が少し分かりにくかったです。
・わかる。アドレス眺めて「あーこの数字は誕生日かなー」とか考えるんだ。
くちづけの練習缶のソーダ水(小川朱棕)/無点句
・思春期だなぁ、と感じてくれればありがたいです(詠者より)
・かわいいなぁと思いました。缶だとソーダ水のかんじが見えないかなとも思ってしまいました。
・くちづけの練習って初々しい感じが好き。かわいい。
花楓かなしい恋をしたら駄目(開来山人)/無点句
・季語に最後まで悩む(詠者より)
・中七下五は活を入れている言葉なのでしょうか。花楓ととても合っていると思います。
・かなしいから、駄目、なんだとおもいます。でも、駄目、はかなしいです……(笑)
・かなしい恋をしたら駄目、けどしちゃうのが恋なんですね、なんて。
春の闇星の光るや帰路につく(想真唯愛)/無点句
・春の一人ぼっちの真っ暗の帰り道でも、空には星がたくさん光っていて、私は一人じゃないんだなあっていう句です(詠者より)
・闇と星は近いかな?
・やわらかい雰囲気はすきです。少し要素が多いかなとおもいました。
・景、響きは好きなんだけど、「闇」「星」「光る」が近いかなーなんて思いました。
友人の てるてる坊主 梅の雨 (むみゃ~)/無点句
・この句は梅雨になって、毎日雨が続き、雨が止むように、てるてる坊主に毎日、それこそ友人に会うような頻度で「雨やめ~、雨やめ~」と、お願いしている句です(詠者より)
・言葉が近い! どんなてるてる坊主かを描写したらより良くなると思います。
・冷笑的なのかしらとおもったらひどすぎますよね……ごめんなさい(笑)
・俳句、スペースあけない方がいいよ。どこで切れるかまで読者に任せるのが俳句。
・なぜ友人のだったのでしょうか.……気になります。
夏霞山から落ちて川とゆく(里久)/無点句
・山の上に雲がかかっていて、それが滝のように川へ落ちる景色を見て、うわあ綺麗と自分の好きな感じにまとめました(詠者より)
・涼しい感じの句ですね。
・すきだったんですが、~から~して~というのが少し気になりました。
・霞も山も川も大きな対象なので、絞ったらいいかな、と思った。けど、「山から落ちて川とゆく」の感じ、面白い。
・景は好きなんだけど……散文的というか、動詞が多いからちょっと違和感が……。
木綿豆腐を切りつけて小米雪(里久)/無点句
・木綿豆腐が好きなので俳句にしたかったです。小米雪はお米が好きなのと木綿豆腐ざらざらした感じが合ったので使いました(詠者より)
・切りつけて、がイメージしにくかったです。木綿豆腐、そんなに切りごたえないかなとおもってしまって……発想はすきです。
・豆腐っていう柔らかいものを切りつける、っていう表現が好き。
旭東文芸部の俳句パワーを向上させたい、まずは部員たちの作句量を増やさねば、そのためには句会を増やそう、けれど全員のスケジュールを調整するのは骨が折れる……じゃあメールで句会をしよう。三年生がそんなふうに考えて「部内メール句会」が生まれました。投句・選句・批評まですべてをメール上で行います。第一回の結果をご紹介します。(兼題なしで二句まで・選は一人二句)
傷ついたぶんだけ洗ふトマトかな(開来山人)/四点句
・日常的な「トマトを洗う」ことにも感動はある(詠者より)
・どんな風に洗っているのでしょうか。ごしごし洗ってたらトマトも傷ついちゃいますよ。
・赤くてハリがあって元気な感じがするけれど、やわらかくていたみやすいトマトだから良い句だとおもいました。若いですね。
・トマトは赤くて、丸くて、可愛くて、太陽みたいで…それを傷ついた時に洗っているのが良いと思いました。それに怪我とかしたら、傷口を水で洗うので合っていると思いました。
・トマトがこの句で起こす作用を作者にききたい。
手花火やいつもは見えぬ地を照らす(ありあ)/四点句
・いつもは地面など見て歩かないけれど、花火に照らされた地面を見て新しい発見をした、という句です(詠者より)
・いつもは見えない地というのは普段から日が当たらないということ?
・場面が想像できて、素敵だと思いました。
・手持ち花火は打ち上げ花火と違って視点が下に向きますからね~!!面白いです。
・気持ちはわかります。でもふつうに考えたら、やっぱり地はいつも見えてるかなとおもいます。
・花火の、びっくりするくらいの明るさ。目に浮かぶ。
・地面って夜は見えないけど昼は見えてるのでなんとなくひっかかりました。
秋高し空飛ぶ自転車語る祖父(ありあ)/四点句
・実体験の句です。朝のニュースでやってたんだーと祖父が嬉しそうに話していたので句にしてみました(詠者より)
・空飛ぶ自転車というのがいいです。祖父という言葉ともあっていて言葉がいい感じの句ですね。
・はじめ、秋高しと空飛ぶ自転車が近いかなーと思ったのですが、そんなことないですね!
・「語る」の高揚感と「空」の語が、季語と近いかも、とは思いつつ、「空飛ぶ自転車」の面白さに惹かれた。祖父なのがいいよね。
・おじいちゃんが小さい頃夢見ていたことを孫に語る光景がすぐに浮かびました。
・E.T.を思い出してしまいました……(笑)
・空飛ぶ自転車っていいね。祖父を持ってくるのも可愛い。
廃屋の屋根の赤さや秋の暮れ(空集合)/三点句
・廃れた家の屋根が赤い、ってなんとなく寂しい感じがするじゃないですか。それに秋の暮れっていう寂しい季語を取り合わせてみました(詠者より)
・句全体として物悲しさが漂っていて景もわかりやすくていいと思いました。
・廃屋と秋、赤さと秋が合ってて好きです。
・小学校の音楽の教科書に載ってた「赤い屋根の家」という歌を思い出しました。
・センチメンタル。赤さ、と、秋の暮れ、が私のイメージとしては被っていて、結構な赤になってしまいました。
・廃屋って持ってこられちゃ、たまんない。廃屋ってフンイキある。言葉自体にフンイキある。
吃音の金髪女優ふゆさうび(小川朱棕)/二点句
・困難を乗り越えた(むしろ、自分をかがやかす材料にした)ものこそが美しいんだな、と(詠者より)
・吃音の金髪女優っていう響きがすごく好き。
・すげえ取り合わせ方。いいな。「ふゆさうび」の感じがでている。植物季語の取り合わせって、この「感じ」が大事だと思う。
・女優が吃音…役柄? 私の想像力不足ですみません。冬薔薇は使ってみたいなとおもいました。
峰雲と同じペースで旅をする(ひねもす)/二点句
・青い空、白い雲、どっか行きたいなぁ。とゆうかんじです(詠者より)
・雲と同じペース! 夏らしさがすごく感じられます。
・ゆるゆる感が峰雲と合っていると思います。
・のんびりした感じが好き。これも選ぼうかどうしようか迷いました。
・散文的なように思いました。
繋ぐ手の小ささ紅葉美しき(想真唯愛)/一点句
・紅葉狩りに行った親子の句です。繋いだ子供の手が小さくて、まるで紅葉みたいだなと感じている親の心情を詠みました。(詠者より)
・小さな手が紅葉に見えたのかなぁ~。
・かわいくてすきです。だから、美しき、にひっかかりを感じました。
・美しきって連体なのがいいよね。あと、ふつう美しいって言うと感情の露出になるけど、紅葉となると、なんか「美しき」って言っても許される感じがする。いやダメなんだろうけど、違和を感じない。
・可愛い。けどやっぱり「美しき」ってひっかかるなぁ……って感じが否めない、かも。もっと推敲したらいい句になりそう。
青蛙田圃に生えする産毛かな(雨宮寧々子)/一点句
・車の中から見た田んぼが産毛が生えているみたいでいいなと思い作りました(詠者より)
・蛙は苦手だけどこの句は好きです。私は、田んぼに生えている稲とかの小さい青い時のところに、蛙がいて、それが産毛みたいだったという風に解釈しました。もう、例え方が素敵でした。
・不思議。
・鷹栖のほうで見られそう……。
・田圃の産毛ってセンスがいい感じ。ただ生えする、の語がなーんか違和感。こういう表現あったっけ。生ゆる、でいいような気もする。
・産毛って言葉を選ぶセンスがいいなーと。
はつなつやアドレス帳に君のをり(空集合)/一点句
・夏の初めと恋の始まり? みたいなものを意識してみました。三割くらい実景です(詠者より)
・うきうきしてる……! 入れたくなりました(笑)
・はつなつの必然性が少し分かりにくかったです。
・わかる。アドレス眺めて「あーこの数字は誕生日かなー」とか考えるんだ。
くちづけの練習缶のソーダ水(小川朱棕)/無点句
・思春期だなぁ、と感じてくれればありがたいです(詠者より)
・かわいいなぁと思いました。缶だとソーダ水のかんじが見えないかなとも思ってしまいました。
・くちづけの練習って初々しい感じが好き。かわいい。
花楓かなしい恋をしたら駄目(開来山人)/無点句
・季語に最後まで悩む(詠者より)
・中七下五は活を入れている言葉なのでしょうか。花楓ととても合っていると思います。
・かなしいから、駄目、なんだとおもいます。でも、駄目、はかなしいです……(笑)
・かなしい恋をしたら駄目、けどしちゃうのが恋なんですね、なんて。
春の闇星の光るや帰路につく(想真唯愛)/無点句
・春の一人ぼっちの真っ暗の帰り道でも、空には星がたくさん光っていて、私は一人じゃないんだなあっていう句です(詠者より)
・闇と星は近いかな?
・やわらかい雰囲気はすきです。少し要素が多いかなとおもいました。
・景、響きは好きなんだけど、「闇」「星」「光る」が近いかなーなんて思いました。
友人の てるてる坊主 梅の雨 (むみゃ~)/無点句
・この句は梅雨になって、毎日雨が続き、雨が止むように、てるてる坊主に毎日、それこそ友人に会うような頻度で「雨やめ~、雨やめ~」と、お願いしている句です(詠者より)
・言葉が近い! どんなてるてる坊主かを描写したらより良くなると思います。
・冷笑的なのかしらとおもったらひどすぎますよね……ごめんなさい(笑)
・俳句、スペースあけない方がいいよ。どこで切れるかまで読者に任せるのが俳句。
・なぜ友人のだったのでしょうか.……気になります。
夏霞山から落ちて川とゆく(里久)/無点句
・山の上に雲がかかっていて、それが滝のように川へ落ちる景色を見て、うわあ綺麗と自分の好きな感じにまとめました(詠者より)
・涼しい感じの句ですね。
・すきだったんですが、~から~して~というのが少し気になりました。
・霞も山も川も大きな対象なので、絞ったらいいかな、と思った。けど、「山から落ちて川とゆく」の感じ、面白い。
・景は好きなんだけど……散文的というか、動詞が多いからちょっと違和感が……。
木綿豆腐を切りつけて小米雪(里久)/無点句
・木綿豆腐が好きなので俳句にしたかったです。小米雪はお米が好きなのと木綿豆腐ざらざらした感じが合ったので使いました(詠者より)
・切りつけて、がイメージしにくかったです。木綿豆腐、そんなに切りごたえないかなとおもってしまって……発想はすきです。
・豆腐っていう柔らかいものを切りつける、っていう表現が好き。
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