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春天や神話崩壊せし報せ

卒業はすぐにひとりにしてくれない

春風に夢やぶれたる剣士かな

花の絵は血のやうな赤貝殻忌

春愁や答案用紙に詩を書いて

吹くことの意味を思へり石鹸玉

里燕黒い山には鬼がいる

妖精の靴となるべしブルーベル

少年や人待つてをり花蜜柑

排卵を知らぬ少年夏燕






あまりいい作品はありませんが‥‥‥(>_<)
今年で最後なので少しづつでもいいので
更新頑張ります


世界みなアラベスクなり春春春

亜麻色の髪の心地や風光る

春の夢パジャマの釦はずれをり

廃校やなほ一面に芝桜

初夏の服はギャザーをたっぷりと

地球儀の割れてあぢさゐとなりぬ

虹立ちて人魚の絶命したる場面

ゼリーるるるどうしよう良くんが好き

噴水の羽振きて蘇生するごとし

真上からフォークで突きたくなる花野

シナモンの精はツンデレ秋の虹

初雪や真鍮の馬黒ずんで

もねちやんの笑つてゐるよ寒日和

紫耀くんがまた笑つとる冬菫

ケーキ屋の屋根に小鳥の止まりたる

コスモスを妹の髪飾りとす

オパールのブローチ贈る秋深し

泣きじゃくる幼子の手に桐一葉

木の実踏む白き仮面の道化かな

黄昏の空を飛びゆく秋の蝶

秋麗看板直す人の影

霜降の枕の下に聖書あり

金木犀切れ味鈍きナイフかな

りんどうを小さき墓に供えけり

高文連で作った俳句、日常で作った俳句、部内句会で作った俳句などをまとめました。十月っていいですね。紅葉がとても綺麗です。道にいろんな色の葉っぱが落ちていました。

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打水を終へ写真屋に向かひけり

花柚子や海の出てくる紙芝居

夏の風邪ガラスに匂ひあるらしき

第一幕キャベツ抱ふる人の立つ

涼しさや宛先に沖縄と書く

夕立の奥のからくり時計かな

薄墨に触るれば真水明易し

髪洗ひ夢は戦士と思ひけり

ラジオしきりに逝く夏を伝へけり

ポスターにわたしの名前星涼し

 近作で気に入ったのをまとめ、幾つか新たに足した。
 昨日、若干のリニューアルを迎えたHP。その更新第一弾である。ブログ形式になって、更新をtwitter上で告知できるようになった。これまでは広報として利用してきたブログが、もう一つ、部員の作品を積極的に世に出す場にもなるわけだ。さらに、ブログになって、コメント投稿も可能になった。作品を目にしてくださった方、ぜひご批評を残していってください。

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初夏のいへ紙のにほひに充たさるる 

網戸越し四人でゴレンジャーごつこ 

表紙だけ旧字の本や仏桑華 

抽斗の底に指あと明易し 

枕あつめて水無月の戸を閉めよ 

峰雲や短く切れた紙テープ 

手品師の取り出す紙と団扇かな 

夕焼や俳優二人出くはして 

白蓮や初版大正十二年 

夏の海何かを思ひ出したかほ 


 俳句甲子園に向けて、たくさん作った。あまったもので好きだったのと、あと、別に作った一句を足して、まとめてみた。

夏の日やみな前髪を切ってきて

伸びきった肢体に受ける青嵐

十七歳のスカート軽し罌粟の花

夕立に呼ばれて我は生まれけり

ちょっとだけあの人が好き青岬

「おべんきょ」は好きじゃないのよダリア咲く

静脈をなぞつてゐたり熱帯夜

夏草やいつそ不良になれたなら

ベクトルの問題解かん日の盛り

十七の数は美し紫陽花忌

春画AV官能小説ソーダ水

クロゼットにレース思いのほか多く

スカートを脱ごう裸足で眠ろう

ただ今日を生きられればと夏の朝

白靴や恋より欲しいものがある

恋バナの尽きてしまひぬ半夏生

戦場でグラジオラスを育てたし

蛇穴を出づ装苑の新刊号

木蓮やレターセットを選びをり

遠足や初恋の実らざりけり

不定詞は未来のニュアンス夏はじめ

黒水着皆折れさうな肢体もつ

難聴の耳にも夏の海の音

白靴やきれいに脚の伸びてをり

蓮池は人を喰つたやうに静か

秋鏡狂気に支配されし顔

曼珠沙華辿れば有田陶器市

ヘアピンをはずす帰路かな高き空

「くんできた」皿に寒卵の多く

傀儡師の瞳だあれもみていない

血餅を磨きおとして水澄めり

雨の日の熱田神宮秋の蝶

朧月「好きって逆から言ってみて」

冬来たる甘えるように話す人

網窓と猫とシイツと血のにほひ

蛇穴を出づ吾が身は成り成りて

真っ白な夢をみている熱帯夜

春疾風髪飾りなどいらぬ髪

過ちを花葬したるや春野原

聖五月パニエと真っ赤なリボンだけ

絵に描いた星が好きなのアマリリス

妹の夏服何かをはらみをり

夏蝶や仮面舞踏会の支度

浜木綿や開花を待てる息の音

緑陰や女生徒は妖精のごと

花茣蓙にのるは陶器のような足

蚯蚓這ふ否定の否定は肯定なり

数学の追追追試雲の峰

遠雷の鳴るや誰かが破水すらむ

向かひ合ふ双子のつつく金魚玉

人波や襤褸市に先生の本

シャンプーのまへのしづけさ透谷忌

青蔦やおれの魅力を五十字で

冬山家こは嵐寛の付けし傷

ソロバンを手に鼻唄や春夕焼

夏帽に知らない人の記名かな

種選りのきみ断定の語調かな

いまはむかし図書室に春蚊の羽音

安吾忌の発声練習口ちひさ

口笛やさつきまで蟻ゐしところ


 いいねと言われた句に、固有名詞が多いと気づいて、ちょっとびっくりした。

少年の古拙の微笑朝寝かな

たんぽぽやギリシャ神話のやうな空

梅雨晴や彼のエビフライが好き

裸子の細き瞳の潤みをり

後ろから抱かれてゐたり遅日かな

清明の陽や鉛筆はときんときん

冬銀河ノンアルコールカクテルは青

鉄琴のグリッサンド天の川

白熊は虹の色なり若葉風

桜咲く世界が終つてしまふ日も

秋澄むや風の名前を知りたくなつた

ホ長調のカデンツァ咲いたチューリップ

少年の八重歯まつすぐ夏はじめ

蠍座のきらめいて駆け落ち日和

縦笛で奏するロンド秋深し

湯豆腐のことを書きたる自伝かな

わつと言ふとき口は開く荷風の忌

水仙や役者の多き芝居小屋

君からの電話裸のままで取る

明月や顔真卿を臨書する

花冷の紙芝居屋の弔辞かな

朝月夜セイコーマートの中と外

狸棲む浄水場の機械音

フルートの巧きラガーとゐたりけり

らむという推量ソメヰヨシノかな

秋雲や吾の味方はみな残れ

楼船にすこしの影や夕燕

四拍子たる意思のあるぶらんこよ

春の宵鸚哥の何か言つたらし

安吾忌の話は可笑しかるべしと

花枇杷や外人墓地をめぐる坂

誰だつたかしらぶらんこの老優

若竹や空まで墨の撥ねてをる

ゴレンジャー立ち去りてのち夏燕

 第十五回俳句甲子園に出てから俳句熱が高まった。出場を契機にではなくて、出場を終えてだ。なるほど俳句っていうのはこんなことを表現できるんだなあと感激して、いっきに俳句形式にほれ込んだ。歳時記を買い揃え、日常の中心が俳句になった。部活だけでは飽かず、メール句会や俳誌に参加した。
 ある高校生俳人からの年賀状に「開来さんの句はいつもおもしろいなあと思っています」とあった。お、面白い、なのかと驚いた。けれども句を「面白い」と形容されたのはこの時だけでなく、それからも何度もあった。だからぼくは最近「いい句」をつくろうとすればまず「面白い俳句」を目指してみようと考えている。
 ここに載せた二十句は 方々の寄せ集めだ。メール句会・俳誌・大会へ投句したもの、未発表句やtwitter投稿句など。