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【鑑賞文】みづのにほひ(池原早衣子)

 八重山商工の素敵なお兄さんがこれまた素敵なチーム猫耳の鑑賞記を書いてくださったので、わたしも拙いながらですがお礼の気持ちをこめて書きました。(池原)



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〈八重山商工の句の鑑賞・みづのにほひ〉 旭川東・池原早衣子


夏の海握る釣り竿の熱さかな 米盛海都
夏は海が一段と煌めいていて、そんな海で魚釣りをするのって気持ちがいいですよね。主人公が真剣に釣りをしていることがストレートに伝わってきました。欲を言えば中八は推敲した方がよかったのかもしれません。

君がため作るゼリーの脆さかな 小濱歩
「君」ってきっと大事な人なんでしょうね。ゼリーを冷蔵庫から出して型を外した瞬間に、まだ固まりきれていなくてどろっとしてしまったのでしょうか。主人公と「君」のうまく気持ちが伝えられない二人の関係が見えてくるようでした。

アルバイト上がりの帰り道に蓮 下地壮
一目見たとき、感動が電気のように体に走りました。非日常の蓮と日常のアルバイト。こんなにも相反する位置にあるものがぶつかって、尚季語がとても生き生きとしている句、他にありません。これは、歳時記の例句に掲載されるべき作品だと思いました。

団栗と一緒に回す洗濯機 武井久美
可愛らしい。ポケットに団栗を入れたまま洗濯機を回してしまった景と解釈しました(間違ってたらすみません)。大いに共感できる句です。団栗の姿形だけでなく、こういうのも一つの秋の風物詩だと思いました。

ぬらくらと指から抜けるオオウナギ 前田竜一
当たり前の景のような気がしますが、何故か気になってしまう句です。「ぬらくら」というリアリティ溢れる表現がものすごく効いているからなのでしょう。このオノマトペにはまってしまいそうです。これだけシンプルな構成で、景を充分に伝えられる力がすごいです。



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