クリスマスですね! みなさんいかがお過ごしですか! 対談第8回をお届けします。テーマは、クリスマスにぴったりの「恋の句」です。登場は2年生池原、1年生渡部(琴ちゃん)&荒井(まなちゃん)の3人です。
第16回俳句甲子園公式作品集を読む!(目次)へ
池「それではみなさん始まりますよ~。リア充の二人が非リア充の私の妄想を聞くっていう対談になっちゃうかもしれないけど(笑) それではみんなで楽しく恋の句鑑賞していきましょう! それでは、まずこれから始めなくちゃいけないでしょ! っていう句がありますよね。神奈川県立厚木東高校伊村史帆さんの『手を繋いだっていいくらい夕焼けだ』。これは間違いなく恋の句でしょう! イケメンだって思った(笑)」
渡「これは女の人の立場で詠んでるんですか? 男の人ですか?」
池「男っぽくない? んー、でもどっちでもいいかも。なかなか手を繋いでくれない相手に業を煮やして、夕焼けにこじつけてなんとか言わなきゃ! みたいな」
荒「なるほど」
渡「私はこれは女の人っぽいと思いました。なんだか、夕焼けだから繋げるというか」
池「奥ゆかしいような? 私は男しか頭になかったなぁ、しかもイケメン」
荒「先輩、趣味がばれちゃいますよ(笑)」
渡「もしや、ジャニーズの誰かとかですか?」
池「そうだね、増田良君! 増田君が分ってくれる人がいれば嬉しい(笑) じゃあ、この句は増田君にしちゃおう(笑)」
渡「まなちゃんは女の人だと思った? それとも男の人?」
荒「私も女子かなぁ。私が女子だからかもしれないけど」
池「そっかぁ。確かに作者は女の子だよね。厚木東さんの句はたまにわっとなるようなインパクトのある、すばらしい俳句を作るんだよね。来年の俳句甲子園も楽しみ。話は変わるけど、私が疑問に思ったのは『手をつないだっていいくらいの夕焼け』って言葉。どんな夕焼けのことだろう?」
荒「繋いでいても分らないくらいの夕焼け、眩しすぎる夕焼けって感じですかね」
渡「手を繋いだっていう事実を隠しきれるくらいのすごい夕焼けとか……」
池「そうだね。中途半端な夕焼けで手を繋がれてもなんだこいつ、って感じにになるよね(笑) この句の中の主人公はすごい! これはぜひ全国の恋人たちに『手を繋いだっていいくらい夕焼けだ!』って言って手を繋いでほしい(笑) そんなカップルが見たい! 勝手な願望ですが(笑) では、次の鑑賞行きますか? 熊本信愛女学院の皆越笑夢さんの句『バカとだけ手紙に書いて雲の峰』。」
荒「……バカ?」
池「好きだかちょっかい出したくなる気持ち(笑) 二人はこの句を最初に見た時恋の句だと思った?」
渡「恋というか、恋になりそうな一歩手前な感じ。これから恋に発展していない関係っぽいなぁと思いました。」
池「友達以上恋人未満?」
渡「ひょっとしたらこれから恋に発展するかも」
池「いいね。きっと、この句は実は嬉しいんだよ。バカって書かれた紙を投げられても(笑) だから雲の峰。季語が合ってるね」
荒「もくもくと空に浮かんでいくような」
渡「手紙の便箋にわざわざバカって書いたんですか?」
池「いや、これはきっと要らないプリントの裏とかじゃない? それでくしゃっと丸めて投げる。相手はゴミかな? って思って開いたら『バカ』っていう! あ、あいつが犯人だって思うけど、そこは友達以上恋人未満だからね(笑) ちなみに、こんなふうやられたことある人!」
荒「私、友達にされたことありますよ(笑)」
池「あるんだ(笑)」
渡「なんだか、いつもの風景って感じがしますよね。日常茶飯事的な」
池「季語が雲の峰だしね。わりとどこからでも見られるような季語。ピタッと合ってるね。それがいいなぁと思いました。では次の句。岩手県立黒沢尻北高校の柿澤瑞生さんの句『失恋は団栗とポケットの中へ』。失恋しちゃいましたね、いきなり(笑) 甘酸っぱい恋の句ではありませんね、ブロークンハート。まず、なんで団栗なんだろう?」
渡「たとえばこれ、もうすこし大きなものだったら他に物が入らないからじゃないですか」
池「大きいものと言えばたとえば? りんご? りんごとポケットの中へ……」
渡「さすがにそれだと、失恋潰れちゃいますよ(笑) 同時に存在している感じ」
池「でも、実際に失恋は物じゃないよね」
渡「今はとりあえずしまっておこうとかそんな感じですかね」
池「でも、ポケットなんてそんな取り出せる場所でいいんだろうか? 失恋は鍵のかかった箱とかにしまっておいた方がいいのでは……」
渡「これは外でふられて、とりあえず今は現実を忘れておくためにポケットに入れておくのでは……」
池「外で見てしまった……いや、違う違う! ……ラブレターの、ダメって言われた手紙とか? そういうものが失恋かなっていうパターンも考えた。お断りの手紙をくしゃっとポケットに入れたみたいな」
荒「ポケットに入れたら思いもよらないときに見つけてしまって、こんなこともあったなぁって懐かしくなる要素も含んでいますよね」
池「だから団栗がきいているのかもね」
渡「確かに失恋ってふとしたときに思い出しますよね」
池「分る、それ。琴ちゃんはたまにそういうことがあるんだね(笑) 私もあるよ、確かに。この句いいよね。失恋ってそのまま言っちゃうところが高校生らしい。大人になったら失恋なんて言わないよ、きっと。ただの過去になっちゃうもん。では次の句行きますか? なんだか広く浅くの鑑賞になっちゃってるけど(笑) えーと、松本第一高校の渡邊まりさんの句『好きだよと突然言われゼリー振る』。これはもう絶対に恋の句だね」
渡「好きだよって言葉でもう恋ですよね。このゼリーはなんのゼリーだろう」
池「カップゼリー?」
荒「壊れやすいそうなやわらかい感じ……」
池「ゼリーは心の揺らぎなんだ!」
荒「主人公の動揺なのか、それとも弱い相手を振ったっていうことなのか。どっちだろう?」
池「『振る』と『フる』でかけてるのかな? 返事としてゼリーを振る。ダメっていうサイン(笑) きっと違うよね(笑)」
渡「私は違う解釈ですね。自動販売機で売ってるようなゼリー入りの缶ジュースって昔ありましたよね。それを持っていて、突然言われて振ったみたいな。動揺を隠しきれずに振ったっていう……」
池「ファンタのやつかな? また新しい鑑賞が出てきた(笑) 私は思いつかなかった。それはまた面白い鑑賞かもしれないね」
渡「そもそもゼリーって振れるんですか? 振りますかむしろ? 手に待ってるってなんか変だなぁと。」
池「ふるえるだと分るけど、振るだと激しい感じだよね。」
渡「動揺が伝わったってことかな?」
池「突然好きといわれる……。どんなシチュエーションだろう?」
荒「ゼリーって普段食べない物ですよね。私給食かなぁって(笑) でも皆がいる前で好きだよっていうのも……」
池「でも小学生だとなくはないかも(笑) ○○ちゃん好きだよ~!みたいな感じ(笑)」
荒「かわいいですね(笑)」
池「だとしたらなんでゼリーを振るんだろう? 謎だ(笑) 缶のゼリーの方が自然に思えてきた(笑)」
渡「だから道端とかかなぁ、と。すれ違いざまとか……」
池「好きだよって言って通り過ぎる……。ささやかれるのか、すれ違いざまに! なんか気持ち悪いね(笑)これはきっと違う! いくらイケメンでもキモイわ(笑)」
荒「ストーカーだ(笑)」
渡「至近距離で近づいてくるってことですよね?」
荒「好きな人だったらいいけど、好きじゃない人だったら引く……」
池「引くー!」
渡「この句の鑑賞じゃないですよね(笑)この句はもっとはっきり言ってる感じ」
池「そうだね。ゼリーの透明感と合わないよね、ささやきだと(笑)」
荒「ドロッとしてるゼリーになっちゃいますね(笑)」
池「下心丸見えだね(笑)サラッとした告白であることを願います(笑)では次の句に行きます! 飛騨神岡高校の尾上緋奈子さんの句『花火咲く君の指先触れもせで』」
荒「なんかあれを思い出した。国語科のO先生が授業で言ってた与謝野晶子の短歌」
池「あぁ、こういう文法使いそうだね。与謝野晶子」
荒「『やは肌のあつき血汐にふれもせでさびしからずや道を説く君』という歌っぽいなぁ、と」
池「花火咲くは打ち上げ花火かな? それとも手花火かな?」
荒「私は打ち上げ花火だと思う」
池「花火大会かな? 二人で見ててひそかにこう……」
渡「これはどういう感情なんでしょう?」
池「なんだろうね? ちょっと離れすぎてて分らないや……。触れもしないでってことだよね? でもこういうカップル花火大会にいそう」
渡「これは自分が触れもしないってことですか?」
池「そうだね。相手も触れてないなぁって気づくよね。魔性の女だね(笑)」
渡「じゃあ、自分が触れられないでいる、ぐちゃっとした感情ってことですね」
池「花火咲くが花火過ぎてるかなって感じるけどこの句は分る! 手を繋いだっていいくらい花火がきれいだ! それで手を繋ぐってだめかなぁ(笑) では次の句行きますか? これは他の人に恋の句じゃないって反対された句です(笑)松山西中等教育学校の河野佑芽さんの句『手話の指「蝉の居場所を知っている」』。」
堀下「これは恋の句じゃないと思います!!」※堀下乱入
池「えーなんでですか!?」
堀「なんでって! 『蝉の居場所を知っている』のどこが恋なんですか?」
池「その人だけに伝えにきたってこと?」
堀「お、おぉ……」
池「……連れ込む?」
堀「連れ込む!?」
池「そんな! 変な意味じゃありません!」
堀「二人で一緒に行くっていうことですね」
池「すぐそうやって……変な方向に解釈するのやめてください!(笑)」
堀「ここはカットしてね(笑)」
池「これは恋の句だと思いますよ~。私、手話でできるかな? 指文字は昔できたんだけ……。この人は手話を使える人なんですね。こう言ったら語弊があるかもしれないけど、手話は閉じた感じがする。知らない人には伝わらないっていうか……。二人で手話でやり取りしているところ見たら何してるんだろう? って不思議に思っちゃいますよね。 二人だけの世界っていう気がする。だから私は恋の句かなって思った。だから『蝉の居場所を知っている』っていうのはきっと口実なんだよ(笑)」
渡「家の中に閉じこもっている子を窓の外から呼んでるっていう感じがします」
池「連れ出して二人で仲良く蝉を見に行くかぁ。いいね」
荒「いいいですね。そう考えたら恋の句に思えてきた」
渡「ひと夏の偶然の出会いっていう感じがしますね」
池「個人的な話になっちゃうんですが、このあいだ『金魚奏』っていう漫画を読んだんですよ。花とゆめっていう漫画誌の紹介を見て買って読んだの。手話を使う太鼓奏者の人を好きになる女の子お話で、それを最近読み直したばかりだからどうしてもこの句が恋の句に思えちゃう。堀下先輩が恋の句に思わなかったのはなぜ?」
堀「この句は、恋とかそういうものを知る前の少年の句だとおれは思った。今は幼稚園児がチューとかしちゃうご時世だけどさ」
池「してたんですね(笑)」
堀「まぁ、それは置いといて(笑) 純真で、蝉で頭がいっぱいの少年なんだよ。そんな純真んば少年が伝えたかったんだよ。そのあとに女の子と見に行くのもまぁいいと思うけど」
池「そうですね。きっと作者は恋の句と思わないで作ったんだろうと思います。だって私以外に恋の句だと思った人いないと思う(笑) 池原的恋の句に認定! 話は変わるけど、これは蝶とかじゃきっとダメだよね。蝉がいいよね」
荒「蝶だと飛んで行っちゃう」
池「『少年の日の思い出』を思い出した(笑) ここにクジャクヤママユがいるよ、みたいな(笑) なんかちょっと違う。ただの昆虫標本仲間だね。やっぱり蝉だよ。祖父母の田舎に行ったとき、地元の子が蝉の居場所を教えてくれたっていう、ひと夏の恋のストーリー! どうかな? 二人もどんどん妄想語ってね(笑) じゃあ、次の恋の句に行きますね。松山中央高校の丸本勝典君の句『さよならを交はして夏の海深し』。これも失恋?」
渡「その可能性はあるけど、また会おうねって感じもしますね」
荒「交はして、という旧かなが意味深というか、友達だったっていう感じをうかがわせないような何かがありそうです」
池「さよならかぁ。また会う日までって感じ? 夏の海深し、という言葉に何か感情がありそうだけどどうかな?」
渡「なんだか沈んで行ってしまいそうな感じ。周りに魚もいないような状態でただただ沈んでいくような……」
池「深しだもんね。一言で表現できないなぁ……。国語の文章問題みたい。主人公の気持ちを60字以上で説明せよ、的な。ちょっと不安な感じがするよね。さびしさと不安と……。夏の海の句にしてはさみしい句だね」
渡「また明日遊ぼうねって感じではないですよね」
池「今まで見てきた夏の句はわりかし明るい句が多かったよね。こういうせつない夏もあるんだなぁって思いました。次に行きますか。あ、いい句発見! 福岡県立三井高校の高﨑杏樹さんの句『恋心夏怒涛にも負けやせぬ』。めっちゃストレート!」
渡「猪突猛進な感じですね」
荒「一歩道を踏み間違えたらヤバい方向に行っちゃいそうな不安定さの句」
池「健康的な句にとらえたいね(笑) 夏の海でもいいのに夏怒涛にしちゃったかぁ」
荒「夏の海でも力強いのに、さらに力強い夏怒涛を持ってきたかって感じ」
池「肉食系女子全開だね(笑)」
渡「肉食系越えてませんか?(笑) 相手を絶滅させてしまいそう……」
池「自然災害系女子だ(笑)」
荒「(爆笑) 新しい言葉ができた(笑)」
池「地震雷火事自然災害女子みたいなね(笑) 誰にも止められない! 負けやせぬっていう言い方がね」
荒「粋な感じですね」
池「好きな子にガンガンアピールするんだね」
渡「漫画っぽいですね」
池「そうだね。漫画のコミカルさを抜いたらこの句は怖いね(笑)」
荒「こんな人周りにいませんよね!?」
池「詩人ハイネが『恋とはすでに狂気なのだ』って言ってたのを思い出した。こんなに恋に真剣になれるってすごいと思う。夏怒涛と張り合ってどうするんだろう?」
渡「なんだか松岡修造を越えそうな勢い(笑)」
池「……松岡系女子?」
荒&渡「(爆笑)」
池「やだー、アツすぎる(笑) どう? 松岡系女子?(笑)」
荒「暑苦しい……(笑)」
池「海干上がりそう(笑) でも、真剣に恋してるから応援したくなっちゃう。恋のライバルにはいてほしくない! こんなライバルがいたら負けを認めざる得ない(笑) 松岡系女子に彼氏をとられちゃうという(笑)」
荒「こんな熱血系女子だったらしょうがないですね」
池「自分の力不足だね。中途半端にとられれるよりはマシかも。まったく句に関係ない話しちゃった(笑) では次、八重山商工の下地壮君の句『未完成な恋の色したゼリーかな』。恋とゼリーの句! 未完成な色したゼリーってどんな色かな?」
荒「薄いオレンジ……?」
渡「薄い感じかなぁとは思います」
池「そうだね、暖色だね。オレンジとか黄色とかピンクとか。薄そうな感じがするね。こういう表現でたとえるってことは作者も中途半端な恋をしているのかな? 未完成な恋の色って言葉が読者に想像をあたえさせるね。この句は想像の余地があるって言う人と具体性や景がないって言う人で意見が分かれそう」
渡「未完成な恋に対して具体性があるっていうのはちょっと微妙な感じがします」
池「なるほど。なんで?」
渡「人によってしてる恋は違いますよね。恋に形を決めちゃったら一方的な句になってしまう」
池「句の共感が得られなくなるってことかな? 私はこの作者とお知り合いなので好き勝手に鑑賞できないかも(笑)先入観を持ってしまう。彼はいろいろ恋してそうだし(笑)本人に今度聞いてみます。下地さんはこの句は何色なんですか? って。ではこの句の鑑賞は終わりましょう。他に恋の句ない?」
渡「恋の文字が入った句ありました」
池「本当? あっ、これは『さよならを交はして夏の海深し』と同じ作者の句ですね。松山中央高校の丸本勝典君の句『恋愛の芯はどこかにゼリー噛む』。この人は恋多き男性ですね。最近なにかあったのかな、勝手に想像(笑)」
渡「こんにゃくゼリーっぽい感じがしました」
池「しっかり噛まないと窒息しちゃう感じ?」
荒「芯は固いものだし……」
池「恋愛の芯ってなんだろう? 恋愛の芯を確かめてこの人は何をしたいんだろう? この句も抽象的で分りにくいね……。恋愛の芯かぁ。あの人と別れるか別れないか、違うかぁ……。リア充の人たち、ちょっと語ってよ!」
荒「……原動力?」
池「原動力? 恋をする? 琴ちゃんはどう思った?」
渡「私はただこんにゃくゼリーの句だなぁ、と(笑)」
池「これも面白い句だよね。ゼリーに芯は絶対にないのに、芯を探すっていうあたりがね。逆転の発想というか」
渡「この句はゼリーの中に恋の芯を探しているんですか?」
池「どこかにあると思ったんだろうね。でも一向に見つからない。その曖昧さかな? それとも恋愛の芯ってなんだろうって考えながらゼリー食べてるのかな?」
渡「いや、やっぱりどこかにあるだろう、とぼんやりしながら噛んでると思います」
池「恋愛の芯……まだ分らないなぁ。大人になったら分るかな?」
渡「大人になったら分かるんですか?」
池「大人の恋愛はドロッとしてるだろうね。高校生だからゼリーで済まされるけど、大人になったら違うものだね」
荒「たとえばなんですか?」
池「血が流れるレアステーキとか?(笑)半分生肉の……」
荒「怖い(笑)」
池「切ったら血がジュロッと出てくるような」
渡「私レアステーキ食べれないのでちょっと分らないです」
池「私も写真で見たんだけどね、赤いのが赤いのが……」
荒「肉汁のことではないんですか?」
池「肉汁が赤いのも怖くない?(笑)まぁ、大きなスペアリブでもいいか。肉々しい感じだね、大人の恋は。ゼリーじゃないと思う! 恋愛を食べ物にたとえると楽面白いね。他はなんだろう?」
渡「ザクロ。なんか気持ち悪くないですか?」
池&荒「ザクロ(笑)」
池「裂けた感じね(笑)三角関係のなれの果てはあんな感じかも(笑)」
荒「チーズとかですかね、どろどろしてるから……」
池「チーズ嫌いなの? 初めて知った~」
荒「ドロドロしていて気持ち悪いかなぁ、と思いました。人のを見てるぶんには楽しいけど、自分の恋に対してはどうなのかなぁ、と。チーズは柔らかいのもあれば固いのもあるし」
池「裂けるチーズもあるし、カオスだわ(笑)裂けるチーズのようなれんあいって誰かに説明してほしいわ(笑) きょうちゃん(木村)説明してー(笑)」※木村乱入
木村「何本にも分れる恋ですか……?(笑)」
堀下「偽物みたいな愛。チーズって言ってるわりにはチーズの味がしない。作り物!」※堀下乱入
池「作り物! きりがない作りものの恋!」
堀「パッケージングされた恋」
池「意味わかんない(笑) 二次元みたいでやだ~(笑)」
荒「チーズだったらなんでもいいじゃないですか(笑)」
池「話を戻しましょうか(笑) じゃあ琴ちゃんセレクト! 福岡県明善高校の畠山瑞歩さんの句『波が消すハートの軌跡夏の海』。これどういうことかな?」
渡「砂浜に枝とかでハートを描いたんでしょうね。それが消されちゃった」
池「なんか不吉だね。消すっていう言い方が……。まなちゃんはどう思う?」
荒「私は二人で体育座りしていて、片方ずつ描いた。そしてそこからいなくなって波がそれを消してしまったと考えました」
池「恋の儚さだね、いいね!」
荒「ちょっといびつな形で」
池「もっと推敲してもよさそうだね。『夏の波ハートを消しにけり』とか、いろいろありそう」※池原は破調推進派である
荒「波と海が近いですよね。二回言わなくてもよかったかなぁ……」
池原「そうだねぇ。では、次の句に行きますか。この句は『ギャ句゛』の対談(第4回)でも取り上げてたね。開成高校Aチーム大塚雅也君の句『夕焼坂幼なじみはをとこ連れ』。琴ちゃんセレクトです。私はこの句、二つの解釈があるんだけど、話すね。一つ目はみんなが想像する通り男の子が、女の子の幼なじみが彼氏と一緒にいるところを見ちゃったって景だよね。幼稚園一緒だった女の子が彼氏と一緒にいて、ちょっとさみしいなぁって思ったのは分る。でもさ、よく考えてみて。この幼なじみが男だったらどうする? これは私だけが思いついたんだけど(笑)私、腐女子じゃないからねっ! でも、そういう可能性もなくはない(笑)」
荒「作ったのは男子ですよ!!」
渡「可能性として主人公も幼なじみも女の子かもしれませんよ」
池「あ、それもある。○○ちゃん大好きでずっと一緒だと思ってたのに、すれ違ったら男連れで、あ……っていう。同性愛チックな感じ。ダメですか……? この、をとこ連れって字がいいよね。普通な感じしないよね」
荒「なんかありそうですよね」
池「はっきり言うと官能的(笑)」
荒「言っちゃっていいんですか?(笑)」
池「まぁいいでしょ。このくっつきの『を』もいいし、夕焼坂もいいよね! どう坂?」
渡「坂の上から遠い幼なじみと彼氏を見ているのかな?」
池「私は坂を上ってて、ふっと振り返ったら、見知った顔が誰かと歩いているのが見えたの。あ、あの子だ。男連れじゃん、みたいな。この句の鑑賞はこれくらいにしておいて……。まなちゃんいい句あった? 披講をお願いします。じゃららん♪」
荒「『ゼリー食ひ恋を忘れる昼下がり』。高田高校の菊永久美さんの句です」
池「確かに恋だ」
荒「なんだろう、子供ってぎゃんぎゃん泣いても好きなもの食べたら忘れるってあるじゃないですか。そういう気持ちかな、と」
渡「じゃあ、これは子供の句?」
荒「うーん、子供っぽいとは思わないかな。主人公が女子か男子か分らないけど、あ、女子かな……。すごく落ち込んでたけど食べてあぁ、よかったなぁと思って忘れたのかな」
渡「私は、心はどんよりしてるけど、ひたすらにゼリーを食べてる。ゼリーを静かにすくって食べて、またすくって食べての繰り返し。機械みたいになっちゃってる」
池「そういう忘れ方というか、無心で食べているから忘れられるんだね。昼下がりって言葉がそう思わせるのかも。あ、でも明るく、男なんてごまんといるんだわ! っていう忘れ方もありかな? 素敵な句だね。ゼリーには人を明るくする作用があるかも。旭川東のチームにも『泣き虫の喉に落ちゆくゼリーかな』っていうきょうちゃんの句があったでしょ。ゼリーでみんなが元気になるんだね。他に恋の句はありますか? そろそろオオトリに行きたいのですが」
渡「オオトリなんですか?」
池「はい。では行きますか。旭川東高校の渡部琴絵さんの句。披講をどうぞ!」
渡「そんな(笑)『いいよともいやともいへず夕焼空』。私、最初の方はお口ミッフィーちゃんの方がいいですか(笑)」
池「これは対談なので、恋の句前提で琴ちゃんも話してください(笑)最後に真実を話してください(笑)というわけで、これを恋の句だと思った人がいたんだよね! 告白されて、相手が微妙だったのか、いいよともいやとも言えずに夕焼空の中にいたのかなっていう。すごく分りやすい句だよね。なんとも思ってなかった相手に好きって突然言われてさ。悪い人じゃないんだけど……、うーん……みたいな」
荒「そういう人いますよね。悪い人じゃないけど恋人にはなれないかなって思う人。」
池「ひたすらに夕焼空で、悲しい青春の一ページのような感じ。どうかな?」
荒「中途半端が一番悲しいですよね。いやならいやと振られるならすっきりするし。どっちの答えももらえないって悲しいですよね。相手がかわいそう」
池「あなたのこと好きだったの、と同じくらいにもやっとするよね。過去形かよ! みたいな。「I loved you.」(笑)いまさら言われてもちょっと……。『耳をすませば』って観たことある? 雫ちゃんっていう主人公なんだけど、雫ちゃんの女の子のお友達が好きな男の子がいるの。杉浦君っていう野球部の男の子でね? それでその男の子から雫ちゃんはコクられちゃうわけですよ! いきなり神社で! 夕焼けではなかったんだけど。『月島! お前が好きなんだ!』って!! 面白い映画ですよ。雫ちゃんは聖司君っていう男の子に心傾いてるから、杉浦君はいい人だけど……という気持ち。あの感じですよ! 杉浦君ちょっとかわいそうって思った。『いへず』もいいよね。この効果はなんだろう?」
荒「旧かな使ってもしっくりくるっていいよね。私は旧かなで作って成功したことがあまりないので」
池「これはきっと日がしずむ直前の夕焼けだね。しずむまでに選択しなくちゃいけないってせまられてる感じ。帰りたいよね。もしこうなったらどうする?」
荒「逃げます!(笑)フるわけじゃないけど、答えるのは無理! みたいな」
池「琴ちゃんはどう?」
渡「分らないかな……。一日考えちゃうかも」
池「そっかぁ。じゃあ、恋愛マスターに訊いてみますか(笑) 恋愛マスター!」
堀「はい! なんでしょうか!?」※本日三度目の乱入
荒&渡「(爆笑)」
池「この句のシチュエーションになったらどうしますか?」
堀「さあ……いま大事な人がいるので考えられませんね……」
三人「キャー!!(悲鳴)」
堀「恋人がいるので君とは付き合えません、って言う」
荒&渡「(爆笑)」
堀「君たち、笑い過ぎだ!」
池「バカにしてませんよ! でも恋人がいなかった時のことを思い出してくださいよ!」
堀「そんなの何十年も前だもんなぁ……。いなかったら、ガツガツ『いいよ!』って言う(笑)」
池「人柄が出ましたね」
堀「待って! 今のはカット! おれの印象悪くなっちゃう!」
池「いいじゃないですか、ぎらぎらしてて。 ギンギラギンにさりげなく~みたいに。近藤真彦! そいつが俺のやり方~♪ 男子的にはどうですか?」
堀「やっぱりいいよ、って言っちゃうかも。誰であってもフラれたら悲しいっていうのは分ってるし、もし自分に彼女がいないんなら、相手を悲しませたくないからいいよ、って言っちゃう」
池「女子はそうは思わないよね……。迷っちゃう。かわいそうだから付き合うって、相手が傷つくの分んないの? 」
荒「そうですね、好きじゃない人と付き合うなんて自分がやだ。堀下先輩は大人ですね」
池「そう? きれいごとに聞こえる……」
堀「結構本音ですよ」
池「ほんとですか(笑) ……話を戻す(笑) 私の友達はこういう経験をしたことがあるそうですよ。その子はちょっとギャルっぽい子なんだけど、次の日私に相談してきたの! 5W1Hを事細かに(笑) それでは琴ちゃん、真相はいかほど?」
渡「私がこの句を作ったときは恋の句ではありませんでした」
池「楽しみにしていた人残念でしたね! これ読んでがっかりしたらごめんね(笑)」
渡「でも、恋の句と捉えようと思えば捉えられますよね」
池「そうだね。句合わせの時には私も全然思わなかったんだよね。いろんな人と交流しているうちに色んな見方があるんだなって知った。琴ちゃんありがとう! この句ディベートしたかった!」
渡「ありがとうございます」
池「今回は一人で私がしゃべっちゃったね(笑) 非リア充なのに(笑) リア充トーク残ってない? まなちゃんある?」
荒「そんな! ありませんよ(笑)」
池「高文連で札幌に泊まったときにちょっと話してなかったっけ? 女子会したとき」
荒「しましたっけ?」
渡「寝ぼけてたから覚えてないかも……」
池「深夜テンションやばかった(笑) 今のろけていいよ」
荒「一か月以上会ってないのでお話しすることありません(笑) 学校違うと会えないんですよ」
池「そっかぁ、遠距離なんだぁ」
荒「家は近いですよ。普段はメールかな」
堀「なれ初めは?」※本日四度目の乱入
荒「なれ初めってなんですか?」
池「付き合い始めたきっかけのこと。堀下先輩、『新婚さんいらっしゃい』じゃないんだから(笑)」
堀「『新婚さんいらっしゃい』やるか(笑)」
池「まだ結婚してませんから(笑)」
荒「なれ初め……」
池「なんで付き合ってるの?」
堀「この先輩怖い!(笑)」
池「違いますよ! 聞き方が悪かった(笑) 琴ちゃんはないの? あるよね?」
渡「無理です(笑)」
池「個人が特定されない程度ならいいよ(笑)」
渡「池原先輩は無いんですか?」
池「私はないよ~。まなちゃんの話に戻ろっか(笑)」
(以下、長々と恋バナ)
荒「私、もう話すことないよ!」
池「よし! 琴ちゃん行こう!」
渡「流されてたと思ってたのに!」
池「はい、まずなれ初め」
渡「そんな……」
(以下えんえんと恋バナ)
池「載せていいのこれ!?」
荒「え、これ載せるの!? リア充トークを!? 載せないでください!!」
池「人の恋バナは人間の大好物だからね(笑) で、琴ちゃん、話を戻すけど……」
(以下、ずうっと恋バナ)
池「いいよともいやともいへずではなかったんだね(笑) ……なんかいじめてるみたい(笑)そろそろ終わるか。彼氏自慢も済んだし」
堀「池原さん、好きな人は!?」
池「好きな人ですか? ジャンルが違ってきますよ(笑) ジャニーズになっちゃう(笑)」
堀「テレビ画面の中かよ(笑)」
池「顔が濃い人が好きですとか……。ここはジャニーズの魅力について語る場所じゃありませんね(笑) 」
堀「片思い中の人とかは?」
池「いないです」
渡「過去に好きだった人の話とか……」
池「ないよ、そんなの~。はい、これで対談を終わります!」
荒「本当にこれカットしてくださいね」
池「恥ずかしがってる~! 非リア充がみんなをいじめてごめんね! では、本当におしまい。ありがとうございました~」
荒&渡「ありがとうございました~」
対談は部室で行われた。 編集:木村・堀下
第16回俳句甲子園公式作品集を読む!(目次)へ
池「それではみなさん始まりますよ~。リア充の二人が非リア充の私の妄想を聞くっていう対談になっちゃうかもしれないけど(笑) それではみんなで楽しく恋の句鑑賞していきましょう! それでは、まずこれから始めなくちゃいけないでしょ! っていう句がありますよね。神奈川県立厚木東高校伊村史帆さんの『手を繋いだっていいくらい夕焼けだ』。これは間違いなく恋の句でしょう! イケメンだって思った(笑)」
渡「これは女の人の立場で詠んでるんですか? 男の人ですか?」
池「男っぽくない? んー、でもどっちでもいいかも。なかなか手を繋いでくれない相手に業を煮やして、夕焼けにこじつけてなんとか言わなきゃ! みたいな」
荒「なるほど」
渡「私はこれは女の人っぽいと思いました。なんだか、夕焼けだから繋げるというか」
池「奥ゆかしいような? 私は男しか頭になかったなぁ、しかもイケメン」
荒「先輩、趣味がばれちゃいますよ(笑)」
渡「もしや、ジャニーズの誰かとかですか?」
池「そうだね、増田良君! 増田君が分ってくれる人がいれば嬉しい(笑) じゃあ、この句は増田君にしちゃおう(笑)」
渡「まなちゃんは女の人だと思った? それとも男の人?」
荒「私も女子かなぁ。私が女子だからかもしれないけど」
池「そっかぁ。確かに作者は女の子だよね。厚木東さんの句はたまにわっとなるようなインパクトのある、すばらしい俳句を作るんだよね。来年の俳句甲子園も楽しみ。話は変わるけど、私が疑問に思ったのは『手をつないだっていいくらいの夕焼け』って言葉。どんな夕焼けのことだろう?」
荒「繋いでいても分らないくらいの夕焼け、眩しすぎる夕焼けって感じですかね」
渡「手を繋いだっていう事実を隠しきれるくらいのすごい夕焼けとか……」
池「そうだね。中途半端な夕焼けで手を繋がれてもなんだこいつ、って感じにになるよね(笑) この句の中の主人公はすごい! これはぜひ全国の恋人たちに『手を繋いだっていいくらい夕焼けだ!』って言って手を繋いでほしい(笑) そんなカップルが見たい! 勝手な願望ですが(笑) では、次の鑑賞行きますか? 熊本信愛女学院の皆越笑夢さんの句『バカとだけ手紙に書いて雲の峰』。」
荒「……バカ?」
池「好きだかちょっかい出したくなる気持ち(笑) 二人はこの句を最初に見た時恋の句だと思った?」
渡「恋というか、恋になりそうな一歩手前な感じ。これから恋に発展していない関係っぽいなぁと思いました。」
池「友達以上恋人未満?」
渡「ひょっとしたらこれから恋に発展するかも」
池「いいね。きっと、この句は実は嬉しいんだよ。バカって書かれた紙を投げられても(笑) だから雲の峰。季語が合ってるね」
荒「もくもくと空に浮かんでいくような」
渡「手紙の便箋にわざわざバカって書いたんですか?」
池「いや、これはきっと要らないプリントの裏とかじゃない? それでくしゃっと丸めて投げる。相手はゴミかな? って思って開いたら『バカ』っていう! あ、あいつが犯人だって思うけど、そこは友達以上恋人未満だからね(笑) ちなみに、こんなふうやられたことある人!」
荒「私、友達にされたことありますよ(笑)」
池「あるんだ(笑)」
渡「なんだか、いつもの風景って感じがしますよね。日常茶飯事的な」
池「季語が雲の峰だしね。わりとどこからでも見られるような季語。ピタッと合ってるね。それがいいなぁと思いました。では次の句。岩手県立黒沢尻北高校の柿澤瑞生さんの句『失恋は団栗とポケットの中へ』。失恋しちゃいましたね、いきなり(笑) 甘酸っぱい恋の句ではありませんね、ブロークンハート。まず、なんで団栗なんだろう?」
渡「たとえばこれ、もうすこし大きなものだったら他に物が入らないからじゃないですか」
池「大きいものと言えばたとえば? りんご? りんごとポケットの中へ……」
渡「さすがにそれだと、失恋潰れちゃいますよ(笑) 同時に存在している感じ」
池「でも、実際に失恋は物じゃないよね」
渡「今はとりあえずしまっておこうとかそんな感じですかね」
池「でも、ポケットなんてそんな取り出せる場所でいいんだろうか? 失恋は鍵のかかった箱とかにしまっておいた方がいいのでは……」
渡「これは外でふられて、とりあえず今は現実を忘れておくためにポケットに入れておくのでは……」
池「外で見てしまった……いや、違う違う! ……ラブレターの、ダメって言われた手紙とか? そういうものが失恋かなっていうパターンも考えた。お断りの手紙をくしゃっとポケットに入れたみたいな」
荒「ポケットに入れたら思いもよらないときに見つけてしまって、こんなこともあったなぁって懐かしくなる要素も含んでいますよね」
池「だから団栗がきいているのかもね」
渡「確かに失恋ってふとしたときに思い出しますよね」
池「分る、それ。琴ちゃんはたまにそういうことがあるんだね(笑) 私もあるよ、確かに。この句いいよね。失恋ってそのまま言っちゃうところが高校生らしい。大人になったら失恋なんて言わないよ、きっと。ただの過去になっちゃうもん。では次の句行きますか? なんだか広く浅くの鑑賞になっちゃってるけど(笑) えーと、松本第一高校の渡邊まりさんの句『好きだよと突然言われゼリー振る』。これはもう絶対に恋の句だね」
渡「好きだよって言葉でもう恋ですよね。このゼリーはなんのゼリーだろう」
池「カップゼリー?」
荒「壊れやすいそうなやわらかい感じ……」
池「ゼリーは心の揺らぎなんだ!」
荒「主人公の動揺なのか、それとも弱い相手を振ったっていうことなのか。どっちだろう?」
池「『振る』と『フる』でかけてるのかな? 返事としてゼリーを振る。ダメっていうサイン(笑) きっと違うよね(笑)」
渡「私は違う解釈ですね。自動販売機で売ってるようなゼリー入りの缶ジュースって昔ありましたよね。それを持っていて、突然言われて振ったみたいな。動揺を隠しきれずに振ったっていう……」
池「ファンタのやつかな? また新しい鑑賞が出てきた(笑) 私は思いつかなかった。それはまた面白い鑑賞かもしれないね」
渡「そもそもゼリーって振れるんですか? 振りますかむしろ? 手に待ってるってなんか変だなぁと。」
池「ふるえるだと分るけど、振るだと激しい感じだよね。」
渡「動揺が伝わったってことかな?」
池「突然好きといわれる……。どんなシチュエーションだろう?」
荒「ゼリーって普段食べない物ですよね。私給食かなぁって(笑) でも皆がいる前で好きだよっていうのも……」
池「でも小学生だとなくはないかも(笑) ○○ちゃん好きだよ~!みたいな感じ(笑)」
荒「かわいいですね(笑)」
池「だとしたらなんでゼリーを振るんだろう? 謎だ(笑) 缶のゼリーの方が自然に思えてきた(笑)」
渡「だから道端とかかなぁ、と。すれ違いざまとか……」
池「好きだよって言って通り過ぎる……。ささやかれるのか、すれ違いざまに! なんか気持ち悪いね(笑)これはきっと違う! いくらイケメンでもキモイわ(笑)」
荒「ストーカーだ(笑)」
渡「至近距離で近づいてくるってことですよね?」
荒「好きな人だったらいいけど、好きじゃない人だったら引く……」
池「引くー!」
渡「この句の鑑賞じゃないですよね(笑)この句はもっとはっきり言ってる感じ」
池「そうだね。ゼリーの透明感と合わないよね、ささやきだと(笑)」
荒「ドロッとしてるゼリーになっちゃいますね(笑)」
池「下心丸見えだね(笑)サラッとした告白であることを願います(笑)では次の句に行きます! 飛騨神岡高校の尾上緋奈子さんの句『花火咲く君の指先触れもせで』」
荒「なんかあれを思い出した。国語科のO先生が授業で言ってた与謝野晶子の短歌」
池「あぁ、こういう文法使いそうだね。与謝野晶子」
荒「『やは肌のあつき血汐にふれもせでさびしからずや道を説く君』という歌っぽいなぁ、と」
池「花火咲くは打ち上げ花火かな? それとも手花火かな?」
荒「私は打ち上げ花火だと思う」
池「花火大会かな? 二人で見ててひそかにこう……」
渡「これはどういう感情なんでしょう?」
池「なんだろうね? ちょっと離れすぎてて分らないや……。触れもしないでってことだよね? でもこういうカップル花火大会にいそう」
渡「これは自分が触れもしないってことですか?」
池「そうだね。相手も触れてないなぁって気づくよね。魔性の女だね(笑)」
渡「じゃあ、自分が触れられないでいる、ぐちゃっとした感情ってことですね」
池「花火咲くが花火過ぎてるかなって感じるけどこの句は分る! 手を繋いだっていいくらい花火がきれいだ! それで手を繋ぐってだめかなぁ(笑) では次の句行きますか? これは他の人に恋の句じゃないって反対された句です(笑)松山西中等教育学校の河野佑芽さんの句『手話の指「蝉の居場所を知っている」』。」
堀下「これは恋の句じゃないと思います!!」※堀下乱入
池「えーなんでですか!?」
堀「なんでって! 『蝉の居場所を知っている』のどこが恋なんですか?」
池「その人だけに伝えにきたってこと?」
堀「お、おぉ……」
池「……連れ込む?」
堀「連れ込む!?」
池「そんな! 変な意味じゃありません!」
堀「二人で一緒に行くっていうことですね」
池「すぐそうやって……変な方向に解釈するのやめてください!(笑)」
堀「ここはカットしてね(笑)」
池「これは恋の句だと思いますよ~。私、手話でできるかな? 指文字は昔できたんだけ……。この人は手話を使える人なんですね。こう言ったら語弊があるかもしれないけど、手話は閉じた感じがする。知らない人には伝わらないっていうか……。二人で手話でやり取りしているところ見たら何してるんだろう? って不思議に思っちゃいますよね。 二人だけの世界っていう気がする。だから私は恋の句かなって思った。だから『蝉の居場所を知っている』っていうのはきっと口実なんだよ(笑)」
渡「家の中に閉じこもっている子を窓の外から呼んでるっていう感じがします」
池「連れ出して二人で仲良く蝉を見に行くかぁ。いいね」
荒「いいいですね。そう考えたら恋の句に思えてきた」
渡「ひと夏の偶然の出会いっていう感じがしますね」
池「個人的な話になっちゃうんですが、このあいだ『金魚奏』っていう漫画を読んだんですよ。花とゆめっていう漫画誌の紹介を見て買って読んだの。手話を使う太鼓奏者の人を好きになる女の子お話で、それを最近読み直したばかりだからどうしてもこの句が恋の句に思えちゃう。堀下先輩が恋の句に思わなかったのはなぜ?」
堀「この句は、恋とかそういうものを知る前の少年の句だとおれは思った。今は幼稚園児がチューとかしちゃうご時世だけどさ」
池「してたんですね(笑)」
堀「まぁ、それは置いといて(笑) 純真で、蝉で頭がいっぱいの少年なんだよ。そんな純真んば少年が伝えたかったんだよ。そのあとに女の子と見に行くのもまぁいいと思うけど」
池「そうですね。きっと作者は恋の句と思わないで作ったんだろうと思います。だって私以外に恋の句だと思った人いないと思う(笑) 池原的恋の句に認定! 話は変わるけど、これは蝶とかじゃきっとダメだよね。蝉がいいよね」
荒「蝶だと飛んで行っちゃう」
池「『少年の日の思い出』を思い出した(笑) ここにクジャクヤママユがいるよ、みたいな(笑) なんかちょっと違う。ただの昆虫標本仲間だね。やっぱり蝉だよ。祖父母の田舎に行ったとき、地元の子が蝉の居場所を教えてくれたっていう、ひと夏の恋のストーリー! どうかな? 二人もどんどん妄想語ってね(笑) じゃあ、次の恋の句に行きますね。松山中央高校の丸本勝典君の句『さよならを交はして夏の海深し』。これも失恋?」
渡「その可能性はあるけど、また会おうねって感じもしますね」
荒「交はして、という旧かなが意味深というか、友達だったっていう感じをうかがわせないような何かがありそうです」
池「さよならかぁ。また会う日までって感じ? 夏の海深し、という言葉に何か感情がありそうだけどどうかな?」
渡「なんだか沈んで行ってしまいそうな感じ。周りに魚もいないような状態でただただ沈んでいくような……」
池「深しだもんね。一言で表現できないなぁ……。国語の文章問題みたい。主人公の気持ちを60字以上で説明せよ、的な。ちょっと不安な感じがするよね。さびしさと不安と……。夏の海の句にしてはさみしい句だね」
渡「また明日遊ぼうねって感じではないですよね」
池「今まで見てきた夏の句はわりかし明るい句が多かったよね。こういうせつない夏もあるんだなぁって思いました。次に行きますか。あ、いい句発見! 福岡県立三井高校の高﨑杏樹さんの句『恋心夏怒涛にも負けやせぬ』。めっちゃストレート!」
渡「猪突猛進な感じですね」
荒「一歩道を踏み間違えたらヤバい方向に行っちゃいそうな不安定さの句」
池「健康的な句にとらえたいね(笑) 夏の海でもいいのに夏怒涛にしちゃったかぁ」
荒「夏の海でも力強いのに、さらに力強い夏怒涛を持ってきたかって感じ」
池「肉食系女子全開だね(笑)」
渡「肉食系越えてませんか?(笑) 相手を絶滅させてしまいそう……」
池「自然災害系女子だ(笑)」
荒「(爆笑) 新しい言葉ができた(笑)」
池「地震雷火事自然災害女子みたいなね(笑) 誰にも止められない! 負けやせぬっていう言い方がね」
荒「粋な感じですね」
池「好きな子にガンガンアピールするんだね」
渡「漫画っぽいですね」
池「そうだね。漫画のコミカルさを抜いたらこの句は怖いね(笑)」
荒「こんな人周りにいませんよね!?」
池「詩人ハイネが『恋とはすでに狂気なのだ』って言ってたのを思い出した。こんなに恋に真剣になれるってすごいと思う。夏怒涛と張り合ってどうするんだろう?」
渡「なんだか松岡修造を越えそうな勢い(笑)」
池「……松岡系女子?」
荒&渡「(爆笑)」
池「やだー、アツすぎる(笑) どう? 松岡系女子?(笑)」
荒「暑苦しい……(笑)」
池「海干上がりそう(笑) でも、真剣に恋してるから応援したくなっちゃう。恋のライバルにはいてほしくない! こんなライバルがいたら負けを認めざる得ない(笑) 松岡系女子に彼氏をとられちゃうという(笑)」
荒「こんな熱血系女子だったらしょうがないですね」
池「自分の力不足だね。中途半端にとられれるよりはマシかも。まったく句に関係ない話しちゃった(笑) では次、八重山商工の下地壮君の句『未完成な恋の色したゼリーかな』。恋とゼリーの句! 未完成な色したゼリーってどんな色かな?」
荒「薄いオレンジ……?」
渡「薄い感じかなぁとは思います」
池「そうだね、暖色だね。オレンジとか黄色とかピンクとか。薄そうな感じがするね。こういう表現でたとえるってことは作者も中途半端な恋をしているのかな? 未完成な恋の色って言葉が読者に想像をあたえさせるね。この句は想像の余地があるって言う人と具体性や景がないって言う人で意見が分かれそう」
渡「未完成な恋に対して具体性があるっていうのはちょっと微妙な感じがします」
池「なるほど。なんで?」
渡「人によってしてる恋は違いますよね。恋に形を決めちゃったら一方的な句になってしまう」
池「句の共感が得られなくなるってことかな? 私はこの作者とお知り合いなので好き勝手に鑑賞できないかも(笑)先入観を持ってしまう。彼はいろいろ恋してそうだし(笑)本人に今度聞いてみます。下地さんはこの句は何色なんですか? って。ではこの句の鑑賞は終わりましょう。他に恋の句ない?」
渡「恋の文字が入った句ありました」
池「本当? あっ、これは『さよならを交はして夏の海深し』と同じ作者の句ですね。松山中央高校の丸本勝典君の句『恋愛の芯はどこかにゼリー噛む』。この人は恋多き男性ですね。最近なにかあったのかな、勝手に想像(笑)」
渡「こんにゃくゼリーっぽい感じがしました」
池「しっかり噛まないと窒息しちゃう感じ?」
荒「芯は固いものだし……」
池「恋愛の芯ってなんだろう? 恋愛の芯を確かめてこの人は何をしたいんだろう? この句も抽象的で分りにくいね……。恋愛の芯かぁ。あの人と別れるか別れないか、違うかぁ……。リア充の人たち、ちょっと語ってよ!」
荒「……原動力?」
池「原動力? 恋をする? 琴ちゃんはどう思った?」
渡「私はただこんにゃくゼリーの句だなぁ、と(笑)」
池「これも面白い句だよね。ゼリーに芯は絶対にないのに、芯を探すっていうあたりがね。逆転の発想というか」
渡「この句はゼリーの中に恋の芯を探しているんですか?」
池「どこかにあると思ったんだろうね。でも一向に見つからない。その曖昧さかな? それとも恋愛の芯ってなんだろうって考えながらゼリー食べてるのかな?」
渡「いや、やっぱりどこかにあるだろう、とぼんやりしながら噛んでると思います」
池「恋愛の芯……まだ分らないなぁ。大人になったら分るかな?」
渡「大人になったら分かるんですか?」
池「大人の恋愛はドロッとしてるだろうね。高校生だからゼリーで済まされるけど、大人になったら違うものだね」
荒「たとえばなんですか?」
池「血が流れるレアステーキとか?(笑)半分生肉の……」
荒「怖い(笑)」
池「切ったら血がジュロッと出てくるような」
渡「私レアステーキ食べれないのでちょっと分らないです」
池「私も写真で見たんだけどね、赤いのが赤いのが……」
荒「肉汁のことではないんですか?」
池「肉汁が赤いのも怖くない?(笑)まぁ、大きなスペアリブでもいいか。肉々しい感じだね、大人の恋は。ゼリーじゃないと思う! 恋愛を食べ物にたとえると楽面白いね。他はなんだろう?」
渡「ザクロ。なんか気持ち悪くないですか?」
池&荒「ザクロ(笑)」
池「裂けた感じね(笑)三角関係のなれの果てはあんな感じかも(笑)」
荒「チーズとかですかね、どろどろしてるから……」
池「チーズ嫌いなの? 初めて知った~」
荒「ドロドロしていて気持ち悪いかなぁ、と思いました。人のを見てるぶんには楽しいけど、自分の恋に対してはどうなのかなぁ、と。チーズは柔らかいのもあれば固いのもあるし」
池「裂けるチーズもあるし、カオスだわ(笑)裂けるチーズのようなれんあいって誰かに説明してほしいわ(笑) きょうちゃん(木村)説明してー(笑)」※木村乱入
木村「何本にも分れる恋ですか……?(笑)」
堀下「偽物みたいな愛。チーズって言ってるわりにはチーズの味がしない。作り物!」※堀下乱入
池「作り物! きりがない作りものの恋!」
堀「パッケージングされた恋」
池「意味わかんない(笑) 二次元みたいでやだ~(笑)」
荒「チーズだったらなんでもいいじゃないですか(笑)」
池「話を戻しましょうか(笑) じゃあ琴ちゃんセレクト! 福岡県明善高校の畠山瑞歩さんの句『波が消すハートの軌跡夏の海』。これどういうことかな?」
渡「砂浜に枝とかでハートを描いたんでしょうね。それが消されちゃった」
池「なんか不吉だね。消すっていう言い方が……。まなちゃんはどう思う?」
荒「私は二人で体育座りしていて、片方ずつ描いた。そしてそこからいなくなって波がそれを消してしまったと考えました」
池「恋の儚さだね、いいね!」
荒「ちょっといびつな形で」
池「もっと推敲してもよさそうだね。『夏の波ハートを消しにけり』とか、いろいろありそう」※池原は破調推進派である
荒「波と海が近いですよね。二回言わなくてもよかったかなぁ……」
池原「そうだねぇ。では、次の句に行きますか。この句は『ギャ句゛』の対談(第4回)でも取り上げてたね。開成高校Aチーム大塚雅也君の句『夕焼坂幼なじみはをとこ連れ』。琴ちゃんセレクトです。私はこの句、二つの解釈があるんだけど、話すね。一つ目はみんなが想像する通り男の子が、女の子の幼なじみが彼氏と一緒にいるところを見ちゃったって景だよね。幼稚園一緒だった女の子が彼氏と一緒にいて、ちょっとさみしいなぁって思ったのは分る。でもさ、よく考えてみて。この幼なじみが男だったらどうする? これは私だけが思いついたんだけど(笑)私、腐女子じゃないからねっ! でも、そういう可能性もなくはない(笑)」
荒「作ったのは男子ですよ!!」
渡「可能性として主人公も幼なじみも女の子かもしれませんよ」
池「あ、それもある。○○ちゃん大好きでずっと一緒だと思ってたのに、すれ違ったら男連れで、あ……っていう。同性愛チックな感じ。ダメですか……? この、をとこ連れって字がいいよね。普通な感じしないよね」
荒「なんかありそうですよね」
池「はっきり言うと官能的(笑)」
荒「言っちゃっていいんですか?(笑)」
池「まぁいいでしょ。このくっつきの『を』もいいし、夕焼坂もいいよね! どう坂?」
渡「坂の上から遠い幼なじみと彼氏を見ているのかな?」
池「私は坂を上ってて、ふっと振り返ったら、見知った顔が誰かと歩いているのが見えたの。あ、あの子だ。男連れじゃん、みたいな。この句の鑑賞はこれくらいにしておいて……。まなちゃんいい句あった? 披講をお願いします。じゃららん♪」
荒「『ゼリー食ひ恋を忘れる昼下がり』。高田高校の菊永久美さんの句です」
池「確かに恋だ」
荒「なんだろう、子供ってぎゃんぎゃん泣いても好きなもの食べたら忘れるってあるじゃないですか。そういう気持ちかな、と」
渡「じゃあ、これは子供の句?」
荒「うーん、子供っぽいとは思わないかな。主人公が女子か男子か分らないけど、あ、女子かな……。すごく落ち込んでたけど食べてあぁ、よかったなぁと思って忘れたのかな」
渡「私は、心はどんよりしてるけど、ひたすらにゼリーを食べてる。ゼリーを静かにすくって食べて、またすくって食べての繰り返し。機械みたいになっちゃってる」
池「そういう忘れ方というか、無心で食べているから忘れられるんだね。昼下がりって言葉がそう思わせるのかも。あ、でも明るく、男なんてごまんといるんだわ! っていう忘れ方もありかな? 素敵な句だね。ゼリーには人を明るくする作用があるかも。旭川東のチームにも『泣き虫の喉に落ちゆくゼリーかな』っていうきょうちゃんの句があったでしょ。ゼリーでみんなが元気になるんだね。他に恋の句はありますか? そろそろオオトリに行きたいのですが」
渡「オオトリなんですか?」
池「はい。では行きますか。旭川東高校の渡部琴絵さんの句。披講をどうぞ!」
渡「そんな(笑)『いいよともいやともいへず夕焼空』。私、最初の方はお口ミッフィーちゃんの方がいいですか(笑)」
池「これは対談なので、恋の句前提で琴ちゃんも話してください(笑)最後に真実を話してください(笑)というわけで、これを恋の句だと思った人がいたんだよね! 告白されて、相手が微妙だったのか、いいよともいやとも言えずに夕焼空の中にいたのかなっていう。すごく分りやすい句だよね。なんとも思ってなかった相手に好きって突然言われてさ。悪い人じゃないんだけど……、うーん……みたいな」
荒「そういう人いますよね。悪い人じゃないけど恋人にはなれないかなって思う人。」
池「ひたすらに夕焼空で、悲しい青春の一ページのような感じ。どうかな?」
荒「中途半端が一番悲しいですよね。いやならいやと振られるならすっきりするし。どっちの答えももらえないって悲しいですよね。相手がかわいそう」
池「あなたのこと好きだったの、と同じくらいにもやっとするよね。過去形かよ! みたいな。「I loved you.」(笑)いまさら言われてもちょっと……。『耳をすませば』って観たことある? 雫ちゃんっていう主人公なんだけど、雫ちゃんの女の子のお友達が好きな男の子がいるの。杉浦君っていう野球部の男の子でね? それでその男の子から雫ちゃんはコクられちゃうわけですよ! いきなり神社で! 夕焼けではなかったんだけど。『月島! お前が好きなんだ!』って!! 面白い映画ですよ。雫ちゃんは聖司君っていう男の子に心傾いてるから、杉浦君はいい人だけど……という気持ち。あの感じですよ! 杉浦君ちょっとかわいそうって思った。『いへず』もいいよね。この効果はなんだろう?」
荒「旧かな使ってもしっくりくるっていいよね。私は旧かなで作って成功したことがあまりないので」
池「これはきっと日がしずむ直前の夕焼けだね。しずむまでに選択しなくちゃいけないってせまられてる感じ。帰りたいよね。もしこうなったらどうする?」
荒「逃げます!(笑)フるわけじゃないけど、答えるのは無理! みたいな」
池「琴ちゃんはどう?」
渡「分らないかな……。一日考えちゃうかも」
池「そっかぁ。じゃあ、恋愛マスターに訊いてみますか(笑) 恋愛マスター!」
堀「はい! なんでしょうか!?」※本日三度目の乱入
荒&渡「(爆笑)」
池「この句のシチュエーションになったらどうしますか?」
堀「さあ……いま大事な人がいるので考えられませんね……」
三人「キャー!!(悲鳴)」
堀「恋人がいるので君とは付き合えません、って言う」
荒&渡「(爆笑)」
堀「君たち、笑い過ぎだ!」
池「バカにしてませんよ! でも恋人がいなかった時のことを思い出してくださいよ!」
堀「そんなの何十年も前だもんなぁ……。いなかったら、ガツガツ『いいよ!』って言う(笑)」
池「人柄が出ましたね」
堀「待って! 今のはカット! おれの印象悪くなっちゃう!」
池「いいじゃないですか、ぎらぎらしてて。 ギンギラギンにさりげなく~みたいに。近藤真彦! そいつが俺のやり方~♪ 男子的にはどうですか?」
堀「やっぱりいいよ、って言っちゃうかも。誰であってもフラれたら悲しいっていうのは分ってるし、もし自分に彼女がいないんなら、相手を悲しませたくないからいいよ、って言っちゃう」
池「女子はそうは思わないよね……。迷っちゃう。かわいそうだから付き合うって、相手が傷つくの分んないの? 」
荒「そうですね、好きじゃない人と付き合うなんて自分がやだ。堀下先輩は大人ですね」
池「そう? きれいごとに聞こえる……」
堀「結構本音ですよ」
池「ほんとですか(笑) ……話を戻す(笑) 私の友達はこういう経験をしたことがあるそうですよ。その子はちょっとギャルっぽい子なんだけど、次の日私に相談してきたの! 5W1Hを事細かに(笑) それでは琴ちゃん、真相はいかほど?」
渡「私がこの句を作ったときは恋の句ではありませんでした」
池「楽しみにしていた人残念でしたね! これ読んでがっかりしたらごめんね(笑)」
渡「でも、恋の句と捉えようと思えば捉えられますよね」
池「そうだね。句合わせの時には私も全然思わなかったんだよね。いろんな人と交流しているうちに色んな見方があるんだなって知った。琴ちゃんありがとう! この句ディベートしたかった!」
渡「ありがとうございます」
池「今回は一人で私がしゃべっちゃったね(笑) 非リア充なのに(笑) リア充トーク残ってない? まなちゃんある?」
荒「そんな! ありませんよ(笑)」
池「高文連で札幌に泊まったときにちょっと話してなかったっけ? 女子会したとき」
荒「しましたっけ?」
渡「寝ぼけてたから覚えてないかも……」
池「深夜テンションやばかった(笑) 今のろけていいよ」
荒「一か月以上会ってないのでお話しすることありません(笑) 学校違うと会えないんですよ」
池「そっかぁ、遠距離なんだぁ」
荒「家は近いですよ。普段はメールかな」
堀「なれ初めは?」※本日四度目の乱入
荒「なれ初めってなんですか?」
池「付き合い始めたきっかけのこと。堀下先輩、『新婚さんいらっしゃい』じゃないんだから(笑)」
堀「『新婚さんいらっしゃい』やるか(笑)」
池「まだ結婚してませんから(笑)」
荒「なれ初め……」
池「なんで付き合ってるの?」
堀「この先輩怖い!(笑)」
池「違いますよ! 聞き方が悪かった(笑) 琴ちゃんはないの? あるよね?」
渡「無理です(笑)」
池「個人が特定されない程度ならいいよ(笑)」
渡「池原先輩は無いんですか?」
池「私はないよ~。まなちゃんの話に戻ろっか(笑)」
(以下、長々と恋バナ)
荒「私、もう話すことないよ!」
池「よし! 琴ちゃん行こう!」
渡「流されてたと思ってたのに!」
池「はい、まずなれ初め」
渡「そんな……」
(以下えんえんと恋バナ)
池「載せていいのこれ!?」
荒「え、これ載せるの!? リア充トークを!? 載せないでください!!」
池「人の恋バナは人間の大好物だからね(笑) で、琴ちゃん、話を戻すけど……」
(以下、ずうっと恋バナ)
池「いいよともいやともいへずではなかったんだね(笑) ……なんかいじめてるみたい(笑)そろそろ終わるか。彼氏自慢も済んだし」
堀「池原さん、好きな人は!?」
池「好きな人ですか? ジャンルが違ってきますよ(笑) ジャニーズになっちゃう(笑)」
堀「テレビ画面の中かよ(笑)」
池「顔が濃い人が好きですとか……。ここはジャニーズの魅力について語る場所じゃありませんね(笑) 」
堀「片思い中の人とかは?」
池「いないです」
渡「過去に好きだった人の話とか……」
池「ないよ、そんなの~。はい、これで対談を終わります!」
荒「本当にこれカットしてくださいね」
池「恥ずかしがってる~! 非リア充がみんなをいじめてごめんね! では、本当におしまい。ありがとうございました~」
荒&渡「ありがとうございました~」
対談は部室で行われた。 編集:木村・堀下
| 21:17
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