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【句会録】春の吟行句会

去る五月、新入部員歓迎の一環として、吟行を行いました。
場所は、中心街の近くながらも自然の多い常磐公園。
後日改めて開いた句会の結果をご紹介します。
尚、内容は以前投稿したものと同じです。ご了承ください。
(兼題なしで一句・選は一人三句)




鼻唄は下手こそよけれ春の風(六点句)
・春の風とかフワッってした感じがしてていいね。
・係り結びとか技巧を凝らしてていいね
・「こそよけれ」ってもう少し良い表現があったかも
・石川雅望の狂歌の本歌取り(詠者より)

春空やくるくる廻るペアカヌー(五点句)
・「廻る」じゃなくて「回る」でもよかったかもしれない
・ウ段の響きがいいね
・その場でくるくる回ってる感じがしてかわいい

残雪や泥吐きくれてのやつれよう(五点句)
・「吐きくれて」の「くれて」がわかりにくいかも→「泣き暮れる」といった、「ずっと同じことをやり続ける」って意味の「くれる」(詠者より)→「暮れる」って漢字を当てたほうがいいかも
・残雪は北海道では汚いイメージがあるので、景は思い浮かべやすい
・「泥を吐く」って表現がいい

チューリップも私もくちびる紅さして(四点句)
・句がかわいい
・「唇」じゃなくて「くちびる」だからやわらかい感じがする
・チューリップの咲き始めは先が色づき、それがくちびるに紅さしてるみたいだなーと思って(詠者より)

麗日や自転車に乗り姉を追う(四点句)
・「自転車に乗り」の「乗り」がいらないかも
・麗らかでほんわかした感じ
・乗れたての自転車で姉を追う可愛い妹の姿を詠みたかったんです……(詠者より)

愛娘風車持ちて駆け回る(三点句)
・くるくるした感じが良い
・公園に行けて嬉しいというのが読み取れて良い
・「持ちて」だとリズムが悪いから「持て」の方が良いかも

ないしょごとにするものかも朝ざくら(三点句)
・ちゃんと十七音になってるあたりすごい
・「ないしょごと」って平仮名なのがかわいらしい
・景がわかりにくいかも

春愁や「空が白い」と言ふ天使(二点句)
・「天使」というのが句の中で浮いてるかも
・「春愁」ってのは天使の心情なのかな? 少しわかりにくいかも
・公園の石像が天使だった。「空が白い」は曇り空で白くて、天使が愁いてるみたいだなーって(詠者より)

小岩にて歩き疲れて桜見る(一点句)
・「にて」が少し説明的かもしれない
・景は良いから、表現をもうそろそろ磨いたら良い句になる
・「にて」と「て」があって、音が少しうるさいかな……

チューリップ我咲き誇きほこれと手をあわせ(無点句)
・「我」と「手を合わせ」のギャップがちょっとあるかも
・「手を合わせ」がチューリップの形みたいだった、という発想がよい
・感性が良い、誰も点入れなかったのが勿体無い……

露にぬれ雲間に浮かぶキタコブシ(無点句)
・説明的
・要素が多く、感動の中心が動く
・季語が動くかも……



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